amedotのブログ

呪術廻戦の考察を主に書きます

【呪術廻戦】『宿儺の術式』と夏油傑の『呪霊操術』は同じ

宿儺の術式について
宿儺の領域「伏魔御厨子
夏油傑の「呪霊操術」
「特級過呪怨霊里香」
これらから考察しました。
 
宿儺の術式は「呪霊操術」と似ているのではないでしょうか。
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※ネタバレ範囲は0巻~18巻、公式ファンブック(公式FB)を含みます。
 
 
 
 
【目次】

【呪霊には2パターン居る】

『呪霊操術』の特徴について話す前にまずは「呪霊」について整理します。
結論から言うと「呪霊」のような呪力で体が構成されている者には複数の種類が存在すると考えられます。
 
『常時顕現型』
『特定条件下顕現型』
この2種類です。
 
『常時顕現型』は自然呪霊のような「常に形を成している呪霊」
『特定条件下顕現型』は低級呪霊や怨霊里香のような「特定の条件を満たすまで目に見えない呪霊」のことを指します。
その根拠を以下に示します。
 

【怨霊里香 特定条件下顕現型】

怨霊里香は0巻で2度の「完全顕現」をした。

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呪術廻戦0巻/芥見下々
1度目は小学校での完全顕現。これによって乙骨と五条は上層部に非難され、完全顕現を禁止されました。しかし百鬼夜行さなかの高専怨霊里香「2度目」の完全顕現をしました。つまり1回目と2回目の間の期間、怨霊里香は完全顕現したことが無かったはず。

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呪術廻戦0巻/芥見下々
しかし怨霊里香が描かれるシーンはその間にもある。それはこれらが「完全な」顕現では無いからだろう。
じゃあ「顕現」とは何か。
「顕現するまでの間」怨霊里香は何処にいるのだろうか。
それらを説明するにあたり注目して欲しいのは下の2つの場面だ。
 

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呪術廻戦0巻/芥見下々
「だって憂太の呪力感知超ザルじゃん」
「里香みたいなのが常に横にいりゃ鈍くもなる」
ここから「怨霊里香」は顕現せずとも『ずっと乙骨の隣に存在していた』ことが推測できる。
事実怨霊里香は乙骨によって「魂を現世に抑留されている」。つまり式神のように召喚されているわけではなく常に現世に存在し、まるでスイッチを切り替えるように眼に見える形で「顕現」していることになる。
 

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呪術廻戦0巻/芥見下々
「リカ?なんだコイツ!!式神!?どっから出てきた!?」
仮に「怨霊里香」と「リカちゃん」が別の存在だったとしても「出現方法」と「存在方法」が同じであると仮定するなら、「怨霊里香」と「リカちゃん」『常に乙骨の隣に存在している』が、『顕現するまで呪術師にすら視認できない』ということになる。そうでなければ常に横にいるはずのリカちゃんを虎杖は目で追えているはずだからだ。

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呪術廻戦公式ファンブック/芥見下々
つまり呪霊には「条件を満たし顕現するまでの間、呪術師にすら視認できない呪霊」が存在することになる。これが「特定条件下顕現型」だ。
これはおそらく一般的な呪霊にも適用される。
 

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呪術廻戦0巻/芥見下々
例えば低級呪霊
低級呪霊は帳によって「炙り出される」 
おそらく帳は低級呪霊が顕現しやすい特定条件を作り出すことができるのだろう。
 

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呪術廻戦0巻/芥見下々
「低級呪霊は特定条件下でしか顕現できない雑魚」
そう考えれば低級呪霊が壁を通ることができるのも納得できる。低級呪霊は存在が不安定であるがゆえに壁を通ることができるのだ。

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呪術廻戦0巻/芥見下々
そして怨霊里香も同様に「特定条件下顕現型」であるが故に壁を通り抜けることができるのだろう。

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呪術廻戦公式ファンブック/芥見下々
媒介と呪力と術式を用いて召喚される式神もこの「特定条件下顕現型」に分類していいだろう。
 
 
じゃあ『呪霊操術』はどうだろうか?
 
 

【呪霊操術】

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呪術廻戦8巻/芥見下々
呪霊操術によって操られる呪霊は「術師と呪力が違い」「媒介も必要ない」。つまり「呪力によって1から構築している」訳でも、「何かを媒介に召喚している」訳でもない。
 
ならば考えられるのは2つ
  1. 取り込んだ呪霊を「特定条件下顕現型呪霊」へと変化させて周りに常駐させている。
  2. 呪霊をどこかに格納して、必要に応じて出している。
 
前者は考えにくい。「特定条件下顕現型呪霊」を常に周りに漂わせているならば夏油の周りには何千、何千万もの呪霊が常に漂っていたことになる。流石に考えにくい。
つまり呪霊操術は「常時顕現型」「特定条件下顕現型」の呪霊をどこかに『格納』して、そこで強制的に術者との主従契約を結ばせ、操ることが出来るようにする術式であると推測できる。

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呪術廻戦9巻/芥見下々
問題は「どこに格納しているのか」だが、夏油は呪霊を球体にしたものを口にしていた。つまり体内か、「心の中」と呼ばれる生得領域にでも格納しているのだろう。
つまりこの理論で考えると「呪霊操術」という術式は「体内に呪霊を格納し、格納した対象に強制的に主従契約を結ばせる」能力と言い換えることが出来る。
要は「格納術式」だ。
 
というのは今回は前提に過ぎない。
本題は「宿儺の術式」と「夏油の術式」の類似性となる。
 

【宿儺の領域】

宿儺の術式は謎が多い。
しかし現在確定していることが3つある。
 
・領域名は「伏魔御厨子」(字が違うがおそらく旧字体というだけ)

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呪術廻戦14巻/芥見下々
・切断する能力がある(「解」と「捌」)

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呪術廻戦14巻/芥見下々
・炎の矢を出すことが出来る(『■』と「開」)

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呪術廻戦13巻/芥見下々
今回は領域の名前に注目したいと思う。
まずは領域の名前を分解する
「伏魔」
これは伏魔殿という言葉があるように文字通り「魔」「悪しきもの」「伏」せている場所と考えられる。
次に「御厨子
実在する御厨子は倉庫のようなもの。
つまり領域の名前と宿儺の生得術式に関係があるのだとすれば「魔が伏せる倉庫」『格納術式』であると言える。

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呪術廻戦公式ファンブック/芥見下々
そしてファンブック曰く宿儺の快楽は「食べること」にある。それを裏付けるように宿儺の領域には骨が散らばっている。まるで食事の跡のように。
術式によって趣味嗜好が歪んでしまった可能性は低くはないはずだ。
 
つまり宿儺の術式と呪霊操術はどちらも
「食べることが深く関係」
「格納することが可能」
「似ている」のだ。
 
これらが必然であり全てが繋がっていると仮定してみる。
そして宿儺は「切断」「炎」の術式を持つ。

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呪術廻戦10巻/芥見下々
生得術式を作り出すのはほぼ無理と言われていることから考えるとこれらの力は「生得術式」の応用である可能性が高い。
ではどうやって2つの術式を獲得したのだろうか?
 

【似ている2つの術式】

『呪霊操術』と『宿儺の術式』に近しい性質があるのだとすれば「別の術式」を使う方法は2通り存在する。
1つ目は呪霊操術が格納した呪霊を操ることでその呪霊の術式を擬似的に扱うことができるように、宿儺も「格納した対象の術式を借りている」という可能性。
 
2つ目は「うずまき」のような技
呪霊操術極ノ番「うずまき」は呪霊を抽出し、抽出した呪霊の術式を獲得することが出来る。言い換えれば「格納した対象の力を得る能力」
 
これらに近い力が「宿儺の術式」にもあるとすれば「切断」の他に「炎」の術式が使えるのも納得できる。
 

【宿儺の術式】

仮に「宿儺の術式」には「呪霊操術」のように「体内に格納する能力」「格納した対象の力を得る能力」があるのだとすれば「宿儺の術式」とは具体的に言えば何なのだろうか?

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呪術廻戦公式ファンブック/芥見下々
まず考えられるのが『呪霊操術』
宿儺は「呪いの王」
呪霊操術を使えるのだとすれば宿儺は意のままに呪いを操ることが可能。
まさに「呪いの王」と呼べるだろう。
己の快・不快のみが行動原理である宿儺が八岐大蛇の能力を知っている(≒戦ったことがある?)のもそのためかもしれない。
しかし「■」という技は夏油の使う呪霊操術には存在しない。
夏油の両親は非術師であるため、御三家の相伝の術式」のように術式の取扱説明書が無く、宿儺が「■」と読んでいる技を夏油は知らない、あるいは別の名前で呼んでいる可能性はあるが、「■」という技は前後を見るに「格納した対象の術式を使用する能力」であると推測できる。しかし「呪霊を操作する能力」「うずまき」どちらにも似ていない。少し考えにくい。
 
次に考えられるのが『呪霊操術に似た能力』
例えば術式を格納する能力。
「食べる快楽」「生得領域内の骨」を考えると『食事』
「御厨子という「倉庫」「■(ブラックボックス?)」から考えると『箱』や『格納』
のような術式であると考えられる。
 

⦅食事術式⦆

『食事術式』だとすればどうだろうか。
そうだとすればおそらく「食べる」ことで「消化、吸収」し、相手の力を獲得する能力なのだろう。

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呪術廻戦13巻/芥見下々
しかしこの場合「■」「開」に説明がつかないため、宿儺には「2つ以上の生得領域」が刻まれていると考えた方が良いだろう。(対象を食すことで相手の術式を自らの肉体に刻み込んでいる可能性はあるが、その場合「■」と「開」の意味が分からない)
 

⦅格納術式⦆

「格納術式」ならばどうか。
そうだと仮定した場合、体内ないし生得領域内に「格納」し、その呪いの倉庫を「開ける」ことで複数の術式を扱うことが出来る能力なのだろう。
これならば「■」とはブラックボックス「開」は文字通り倉庫(箱)の「開放」と推測できる。

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呪術廻戦14巻/芥見下々
そして扉絵になっている過去の宿儺らしき存在は呪具を持っている。「切断」や「炎の矢」という遠距離攻撃手段、伏黒甚爾に匹敵するほどのスピードを持っている宿儺がわざわざ呪具を持ち歩くというのは「格納」する手段があるとも考えられる。

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呪術廻戦1巻/芥見下々
20本の指に魂を切り分け、呪物化したのも指に魂を「格納」していたのかもしれない。
 
じゃあどこまでを「格納」できるのだろうか。
実在する「御厨子は2つの側面がある。
「仏具」と「収納具」だ。
「仏具」としての「御厨子は仏像や仏画、経巻などを収納する。
「収納具」としての「御厨子は書物や文房具のような身の回りの品や厨房で使用する容器などを収納する。
「伏魔」という名前、包丁を連想する「切断能力」を考えるとどちらかだけというよりかはどちらも正しいのだろう。
ならば『宿儺の術式』は魔(呪い)を「格納」したり、厨房のような「切断」を行うことができるのだろう。
 
つまり「宿儺の術式」は呪霊を格納し、強制的に主従関係を生み出すことが出来る夏油傑の「呪霊操術」と同じ性質を持つ「格納術式」のようなものを持っているのではないだろうか。
 
 
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