amedotのブログ

呪術廻戦の考察を主に書きます

【呪術廻戦】乙骨憂太は君になれない。五条悟と成るは『逆夢』

あなたが望むなら
この胸を射通して
たよりのない僕もいつか
『何者かに成れたなら』
 
「模倣」操り、人並外れた呪力持ち、
菅原家や藤原家との関係仄めかされ、
圧倒的成長速度を誇る。
    『 乙骨 憂太 』
彼の可能性はまさしく ” 無限 ”
 
乙骨憂太は「五条悟」になれるのか。
乙骨憂太の「可能性」
選ぶ、禪院真希と同じ道
これらを考察しました。

ネタバレ範囲は0巻~226
加えて公式ファンブックです。

King Gnuの『逆夢』を聞きながら読むとより面白いと思います。

www.youtube.com

 
 
【目次】
 

【乙骨憂太】

乙骨憂太。

呪術廻戦20巻/芥見下々
彼は『五条悟に次ぐ現代の異能』
実質現代2番手の術師。
 
ではなぜ彼の期待値がそれほど高いのか。
おさらいしていこう。
 

≪全盛期≫

全盛期の乙骨+怨霊里香
彼らは「無条件の術式模倣」が可能。
更に里香の呪力量は、特級術師夏油に
『底がない』と言われるほど。

呪術廻戦0巻/芥見下々
だから本来消費の激しい「構築術式」
それで作った物質に術式を付与できる。
つまり圧倒的速度の「呪具作成」が可能。

呪術廻戦0巻/芥見下々
だが、経験や技術は模倣できない
故に模倣直後の精度は低いし、
無下限等、神がかる精度の術式も扱えない。
 
しかし呪力量は大抵の術師よりも多い。
故に理論上、全術師の上位互換も可能。
(現実的には、無下限は六眼が必須なので模倣できないし、技能や発想力で上回られると劣化コピーは免れない)
 

≪現在≫

現在の乙骨も一応特級。
しかも乙骨自身の性能は0巻時より上。
しかし里香がかなり弱体化した。
 
『無条件の術式模倣』は、
『条件アリ』に。
『底なしの呪力』は、
『5分間のみ』に。
それでも「複数術式併用」は脅威だ。
 

≪反転術式+習得速度≫

乙骨は反転治療を行うことができる。
『里香が変幻自在の呪力なら当然では?』
そう思うかもしれないが、里香は「怨霊」
 
呪霊には反転エネルギーが特効
なので反転術式は使えない。
つまり反転はただの乙骨自身の技術

呪術廻戦公式ファンブック/芥見下々
限られた人だけが使う「反転治療」
その中でも更に稀な「他者治療」
それをたった就学1年の少年が扱う。
しかもその1年後には領域すら会得。
圧倒的呪術センス。
それが今の乙骨の強み2つ目。
 

≪血筋≫

呪術廻戦0巻/芥見下々
乙骨はほぼ確定で三大怨霊
「菅原家」の血筋を持つ。

呪術廻戦20巻/芥見下々
更に藤原家の関係も可能性がある。
(こちらは単に乙骨が藤原と同様に烏鷺の地雷を踏んだからそう感じただけだと思うが)
 
ここで注目するべきは、
『五条悟と遠縁』ということ。

呪術廻戦14巻/芥見下々
呪力精度を上げ、消費をほぼ0にする
『六眼』
それがどんな法則で遺伝するかは不明。
しかし最低、2度五条家に顕現している

呪術廻戦17巻/芥見下々
更に先代六眼もちが死ねば、眼は移る。
菅原の血筋有す乙骨が得る可能性は高い。
 
つまり
「五条以上の呪力量」
「呪力ロス0(六眼の効果)」
「類稀なる呪術的センス」
「六眼の精密な呪力精度」
「術式模倣」
「強制リンチ(リカ)」
こんな化け物が生まれる可能性がある。
 
そんな、文字通り「無限」の可能性。
『乙骨憂太』
『五条悟(最強)』 になれるのだろうか。
成る必要はあるのだろうか。
 
 

【たよりのない僕もいつか】

呪術廻戦11巻/芥見下々
羂索はこう言った。
「乙骨憂太は君にはなれないよ」
 
劇場版呪術0の歌「逆夢」の歌詞。
『 あなたが望むなら
   この胸を射通して
   たよりのない僕もいつか
   「何者かに成れたなら」 』
 
乙骨憂太の術式効果は『模倣』
 
まるで『フリ』のように見える。
乙骨が『五条悟』に成る「フリ」
 
が、何を以て「五条悟(最強)」なのか。
 
乙骨に六眼が移り無下限を模倣し
圧倒的センスで戦えば成れるのか?
 
仮に、羂索が五条の肉体を乗っ取り
眼や記憶術式を奪って、
千年分の経験値と合わせば成れるのか?
 
相応に強くは成れるだろう。
しかし宿儺と対等なほどに成れるのか?
 
否。不可能だ。

呪術廻戦16巻/芥見下々
仮に乙骨が六眼や無限を得たとしても、
彼は肉弾戦が一流ではない

呪術廻戦10巻/芥見下々
仮に羂索が五条を乗っ取ったとしても、
五条ほどのセンスは真似できない。
 
『五条悟』に成れるは「五条悟」唯独り。
『乙骨憂太』に成れるのも同様に。
 
 

【乙骨憂太と羂索の対比構造】

羂索は乙骨と対比関係になっている。
 
呪霊を絞り上げた後、呪霊の術式を扱う
呪霊操術『うずまき』
それは「夏油傑」の死で羂索に渡った。
 
人間の肉体をリカに食べさせ、
他者の術式を模倣する
『里香(模倣)』
それは「折本里香」の死で乙骨に渡った。
 
「夏油」が術式抽出を扱う
「羂索」になったのも、
「怨霊里香」が術式里香の
「リカ」になったのも、
     0巻
 
何の話?
そう思うだろう。
しかしこの対比は今回の話に深く関係する。
 

【羂索】

羂索の術式は死者の肉体を奪うもの。
 
しかしその本質は違う。

呪術廻戦11巻/芥見下々
肉体を奪う行為は、
「歴史」を奪うに等しい。
終わったはずの「歴史」を奪い、
その先に、自分に都合の良い未来を描く。
それがまるで「夏油傑」の正史のように。
それが『羂索』
 
ひかえめにいってクズ
だが、乙骨も似てしまっているのだ。
 
今の乙骨の横にいる折本里香は「リカ」

呪術廻戦20巻/芥見下々
昔将来を誓った少女、「折本里香」や、
折本里香の魂が悪霊化した「怨霊里香」
ではなく、残留意思にすぎない『リカ』
 
これは、捉え方によっては
『里香』の先を書き換えていると言える。
 
リカに肉体を食べさせ、術式を模倣する、
「里香(模倣術式)」
 
死体を奪い、脳を入れ替え術式を使う
「羂索の術式」
 
ここにどれほどの差があるというのだろう。
 
じゃあ、もう一度聞こう。
『乙骨憂太』は五条悟に成れるのか。
成るべきなのか
 

【何者かに成れたなら】

羂索と乙骨の違い。
それは『想い』の差。
 
他者を器としか認識しない羂索
他者を尊重し、模倣する乙骨
それが違い。
 
じゃあ、五条悟に成る「べき」なのか。
五条悟が死ぬまで指をくわえて待ち、
六眼を受け継ぎ、
恩師を愛する人の模造品に食べさせ、
そこまでしてできるのは劣化「五条悟」
その力で恩師の親友を弔う。
そんなことを誰が望むのだろうか。

呪術廻戦9巻/芥見下々
最強ですら『唯一無二』と成ったのに、
ただの『模倣』で良いのだろうか?
 
違うはずだ。

呪術廻戦20巻/芥見下々
『何者かに成れたなら』
0巻の逆夢をいつまで引きずるつもりだ。
『乙骨憂太』『乙骨憂太』
誰かに成る必要なんて無い。

呪術廻戦9巻/芥見下々
どれだけ『最強の力』を望もうと、
『自分』として精一杯生きるしかない
 
そんな現実を
他者の歴史を勝手に塗り替えてきた『羂索』
奴に魅せられるのは「乙骨憂太」だけだ。
 

【乙骨憂太の可能性】

『乙骨憂太』として成り上がる方法。
ここからはそれを考える。
彼独自の強みは、大きく分けると、
 
式神「リカ」
・術式「里香(模倣)」
・「他者反転術式治療」
 
ここにあると考えている。
それぞれ考察していこう。
 

式神リカ+術式「里香(模倣)」≫

式神「リカ」
恋人である「折本里香」の魂が呪われ、
「怨霊里香」になり、
解呪されたのち、生まれた残留意思

呪術廻戦20巻/芥見下々
完全権限を行えば、
リカは乙骨並みの呪力出力をもつ。

しかし持続可能時間はたった5分。
たった5分しのぐだけで戦力は激減する。
じゃあ、どうすればいいのか。

考えられるのは2種類
①接続持続時間を延ばす
②5分間誰にも負けない男に成る
 
 
『①接続持続時間を延ばす』
乙骨はリカとの「接続」によって、
5分間術式を使える。

呪術廻戦0巻/芥見下々
これは0巻で婚約指輪が
『二人を繋ぐもの』だったからだろう。
どうにか顕現時間を伸ばせないだろうか。

呪術廻戦20巻/芥見下々
リカの完全顕現は「接続」の結果だ。
接続が続けばリカの完全顕現も続くはず。
「接続」時間の強化
 
いや、そもそも「一緒になれば」良い。
 
例えば、
宿儺を取り込み「混ざった」虎杖のように。
「うずまき」で術式を得た羂索のように。
0巻のふたりのように。

呪術廻戦0巻/芥見下々
リカと乙骨が『一緒』になればいい。
一途な想いを背負い、
未来を掴み取れ。
 
『②5分間誰にも負けない男に成る』
5分間しか本気になれないなら、
5分間だれにも負けなければ良い。
そして乙骨が負ける可能性があるのは、
 
「ノッている秤」
「羂索」
「宿儺」
この辺り。

呪術廻戦17巻/芥見下々
秤は大当たり後の覚醒モード中なら
領域を使えない。
そこを狙って領域展開をすればいい。
乙骨+リカのリンチと、
領域下のバフと、
必中必殺化する術式。
流石にこれならば押し切れるだろう。

呪術廻戦15巻/芥見下々
次に羂索。彼は、夏油は百鬼夜行時、
戦力を分散しなければ勝てたと言った。
その肉体を乗っ取った羂索。
しかも夏油を超える一千万体を有し、
千年分の経験と知識を持つ。
それに呪霊操術なら時間稼ぎは容易い
これに正面から対すれば勝ち目は薄い。
しかし五条すら上回る呪力量にリカ
近接戦では乙骨に分がある
 
そこで重要になるのが、
東堂の「不義遊戯」と、
憂憂の「瞬間移動術式」
これらだ。
これらであれば近づくことは容易。
近寄れば勝てる確率は高いはずだ。

呪術廻戦2巻/芥見下々
最後に宿儺
五条と同等の実力を誇る呪いの王
近接、遠距離、技量、経験全て格上
そんな敵に勝つには「覚悟」か「対策」が必要。
0巻の時の様な「覚悟」
あるいは天使の術式による「対策(メタ)」
これがスタートライン。
乙骨ほどの術師でようやく戦いになるかどうか。
もう一つ。何かが必要だ。
 
「五条悟」が一番力を発揮するのは一人
       なら、
「乙骨憂太」はどうなのだろうか
 

≪他者反転術式治療≫

乙骨は他者反転治療が可能。

呪術廻戦9巻/芥見下々
更に「反転術式」は術式ではないが、
「反転術式治療」は術式の可能性がある
(五条が脳を刺されたときに、術式を解除する天逆鉾を使われていれば死んでいたと言っていたので)
 
なら「里香(模倣)」の範疇かもしれない。
 
加えて、反転術式治療のさらに上。
「反転術式治療による術式治療」も同様。


乙骨の『接続』が5分の理由は不明。
しかし、仮に、
領域展開後の術式使用不可ように、
「術式焼き切れ」が理由なら、
五条同様に治せる可能性がある。
治せば「接続」は終わらない。
乙骨憂太は止まらない
 
しかも乙骨はそれらのさらに上。
「反転術式治療による”他者の”術式治療」
これを扱える可能性がある。
秤や五条、鹿紫雲等々。
彼らの『焼き切れ』を治す可能性がある

呪術廻戦22巻/芥見下々
「一人が最強」が五条悟なら、
「みんながいるから最強」となり、
オリジナルと成って、未来を掴め。
     乙骨憂太
 

【死ぬときは一人】

ここまでは、どちらかといえば周囲に誰かが居る前提の強さについて考察した。
しかし、「死ぬときは一人」
どれだけ皆から力を借りようと、
三途の川は独りで渡る。
乙骨憂太も同様かもしれない。

【クロロ・ルシルフル】

怨霊里香の能力は「コピー」
故に0巻では、
・構築術式でメガホン生成
・メガホンに呪言付与
・呪言の反動をメガホンで身代わり
という複数術式持ち故のコンボが可能。

独りで戦い抜くのであれば、
ここは重要になるだろう。
そこで、現在乙骨が手に入れられる可能性のある術式から、実現可能性の高い強力コンボを考えていこうと思う。


≪コンボ① 万能ゴリラ≫

赤血操術×宇守羅彈×呪具

赤血操術で身体能力の強化
中距離の飛び道具毒血デバフも獲得。

宇守羅彈対遠距離

呪具近距離を底上げ

遠近中距離全てに強いゴリラの完成だ。

≪コンボ② 搦め手ゴリラ≫

 

不義遊戯×呪言×芻霊呪法


不義遊戯で乙骨、リカ、敵、その他
これで幅広い入れ替え択を作る。

呪言動きを制限する。

芻霊呪法相手を弱体化
そしてリカと乙骨で攻める。
相手を撹乱するゴリラの完成だ。

 

≪コンボ③ 質&量≫

傀儡操術×降霊術×リカ

呪術廻戦12巻/芥見下々

降霊術「魂」を降ろせる。
傀儡操術は複数の「魂」使えば、
自立した呪骸を作成可能。
つまり無限の軍隊を創れる可能性がある。

 

≪コンボ④ 超火力≫

質量×式神(リカ)生成

呪術廻戦20巻/芥見下々

乙骨の髪の毛からミニリカを作成し、
そこに九十九の質量術式
これを載せられれば、規格外の火力。
ブラックホールまで質量を載せられれば、
デメリット0の超火力の完成だ。

【本当に「模倣」か?】

乙骨の術式は「模倣」
本当にそうなのだろうか?

呪術廻戦20巻/芥見下々

確かに烏鷺はそう考えている。
しかしそれは彼女の推測であり、
乙骨が言及しているわけではない。

それに公式ファンブックでは
「里香」としか書かれていない。

呪術廻戦公式ファンブック/芥見下々

加えて、式神の作成「模倣」の範疇から少し出ているような気もする(リカの「模倣」をして作ったたとも考えられるが、そうならミニリカではなく、リカが作成されるように考えられる)

呪術廻戦0巻/芥見下々

リカの基になった怨霊里香の能力は
「変幻自在の呪力(夏油評)」
これが今も能力の本質であり、その応用としての「術式模倣」や「式神作成」だと仮定すれば、更に乙骨の可能性について考えることができる。

例えば呪力性質を変化させ、
鹿紫雲のような特殊な呪力を獲得。
あるいは、変幻自在、つまり自由自在な呪力を使い、黒閃の確率アップや、無下限呪術を使用する。

まぁ、後者をすると主人公たち(虎杖、五条)の立つ瀬がないし、どのみち黒閃は確実に出せる人がいなかったり、乙骨の呪力ロスは普通にあるので、「虎杖と五条の劣化コピーを抜けることは不可能に近いはずだ。

【余談 術式反転について】

反転術式で発生したエネルギーを術式に流し込むことで、術式の性質を真逆にする「術式反転」。これを乙骨が使用するのは難しいのではないかと考えている話をしようと思う。
乙骨が「模倣」の力を使えるのは、外付けであるリカとの「接続」の結果に過ぎず、乙骨単体で術式を使うのは現状不可能となっている。つまり、術式使用時にはリカを経由する可能性が考えられる。
式神や呪霊、怨霊、その残骸。これらの差は不明だが、呪霊に似た組成である以上、反転エネルギーは特効であるはずだ。
よって、「リカを経由しないのであれば術式反転が使用できるが、経由するなら(リカのためを思うのなら)使用できない」と考えられる。
つまり術式『里香(模倣)』が乙骨自身にも刻まれているのか。ここが論点になる。が、そもそも作中の術式で術式反転が有効な術式が殆どなく、反転エネルギーと呪力を同時に活用するのは難しく、それに見合ったリターンが得られるかは疑問である。