amedotのブログ

呪術廻戦の考察を主に書きます

【呪術廻戦】「独りにしない」五条の夢。「寂しんぼか?」の裏返し

『夢があるんだ』
五条”先生”はそう言った。
では、 『 夢 』 とは何か。
 
それは、「誰も独りにしない」こと。
「強くなってね。置いてかれないように」
その裏返し。
 
前に立ち、先に生きる「最強」の心意気。
「親友」が刻んだ、蒼き「縛り」
 
では、解説します。

 
ネタバレ範囲は0巻~8巻です。
(過去遍の最序盤。おそらくアニメ2期の一話分)
加えて公式ファンブックです。
 
 
【目次】
 

【五条悟の夢】

呪術廻戦2巻/芥見下々
『夢があるんだ』
虎杖の死を知った五条は言った。
じゃあその内容は何だろうか。
それは0巻のセリフに隠されている。
 

【笑えなくなっていた】

夏油傑。
五条悟と青春を共にした親友。
そして、最悪の呪詛師となった親友。

呪術廻戦0巻/芥見下々
『笑えなくなっていた』
その言葉の後ろに居た夏油はひとり。
 
なぜ親友はそうなってしまったのか。
「あの日」から考えなかった日は無いだろう。
 
 

【兄が先に生まれるのは】

芥見先生のバイブル。BLEACH
そこにはこんな言葉がある。
 
「兄貴ってのが…
どうして一番最初に生まれてくるか
知ってるか…?
後から生まれてくる…
弟や妹を守るためだ!!」
 
『兄』  と 『弟や妹』
『親』  と 『息子や娘』
この関係は非常によく似ている。
 
分別のつく前から一緒にいる身近なお手本
そして一番身近な頼れる存在
 
少し、例として適切ではないが、
「ペットは飼い主に似る」と言うように、
後を生きる者は、先を生きる者に似る。
 
故に『兄』や『親』は重責を背負う。
前の背中を見て、後ろの人間は学ぶからだ。
逆に言えば、愛するべきはずの人たちが、
自分のせいで不幸になるかもしれない。
 
だからこそ弟の分も頑張る。
強くあろうとする。
それがBLEACH久保帯人先生的美学。
芥見先生はそこに影響を受けているのだろう。
 
 

【たった一人の親友】

公式ファンブックにはこう書いている。
『学生時代の五条の善悪の指針は夏油傑』
 
事実、五条は重大な決断を問いた。
弟が兄の背中を見て育つように、
五条は夏油を信じ、後ろを歩いていた
 
「夏油傑」という男は、
ただでさえ自己完結を望む。
他者を巻き込むことを減らす。
「強い」から何でもやろうとする。
 
だから0巻では家族の逃げ道を用意し、
苦行も家族には強いなかった。
 
しかし、彼は高校生。だからこそ
『重責』を共に背負う人が必要だった。
それを担うことができるはずだったのは、
『たった一人の親友』
「五条悟」しかいなかったはずだ。
しかし、五条は『弟』のようなもの。
決断をしない。後を追う。
夏油が正しいと信じている。
たった一人の親友すら重責を共有できない。
それに忙しくて会えない。
 
『独りぼっち』
そう考えるには十分すぎる状況だろう。
独りでは誰も笑えない。

【寂しんぼか?】

呪術廻戦0巻/芥見下々
そして、過去遍以降。
五条は独りになった。

呪術廻戦8巻/芥見下々
『独りは寂しいよ』
蒼き五条からは絶対に聞けない言葉。
気づいたのだろう。夏油の「孤独」に。
 
しかしもう遅い。遅すぎる。
じゃあどうするのか。どうするべきか。
「僕も寂しくなりました。
 これで一緒だね。」
そんなことを誰が望むというのだろうか。
 
『最悪の呪詛師』を二度と生まない。
それこそやるべき「贖い」だ。
 
「独りは寂しい」
   から
「もう誰も独りにしない」
それこそが五条悟の『夢』
 
 

【先に生きると書いて『先生』】

『誰も独りにしない』
この上なく難しい夢。
例え最強だったとしても。
 
『強さ』で救えるのは、
目の前にいる人間だけなのだから。
 
だから『先生』に、『僕』になった。
ガラにもなく。
 
強い人間を育てる。
手が増えれば救える人間は増える。
そして、「先生」
「先に生きる人間」ならば、
一人になるのは自分だけ。
学生時代に自分を支えた夏油のように。
 
『おいて行かれないくらい強くなってよ』
 
それは、
五条の「置いていかせない」覚悟の表明。
「先に生き続ける」最強としての心意気
夏油傑との『青春』が刻んだ、蒼き「縛り」
 
 
BLEACHから受け継いだ『強さ』の根拠
 
ゆえに
『五条悟』