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呪術廻戦の考察を主に書きます

【呪術廻戦】虎杖悠仁+蘆屋貞綱(道満)+展延+九相図=宿儺の器

虎杖悠仁
圧倒的な身体能力と耐久力。
完璧なまでの器適正。
そして、九相図との謎の関係。

これらは全て、「宿儺の器」
夜蛾の「完全自立型呪骸」に起因する。
なぜなら宿儺といえど、たかが、
”5億”でしかないのだから。
 
※ネタバレ範囲は0~21巻、公式ファンブックです。
※追記された【9相図と9字】は2023/3/8時点の最新話のネタバレを含みます。
 
 

 

【目次】

 

【虎杖悠仁の”異能”】

異質な主人公「虎杖悠仁」。
以前にも書いた通り彼には特殊な能力がある。
 
それは
・無毒化
・魂の保持(器適正)
・超身体能力(膂力、耐久力)
・魂を感じ取る力(壁裏からの呪霊補足)
・記憶錯誤(これは虎杖が九相に近いモノであったため生まれた現象と明らかになっている。)
 
この5つ。
 
しかも虎杖の特殊能力は、「どうして扱えているのか」「どうやって生まれた能力」なのかが不明になっている。
 
これらを
「毒を以て毒を制す」
「広大な生得領域」
「呪骸と九相図」
この3つで説明しようと思う。
 

【毒を以て毒を制す】

虎杖悠仁「宿儺の器」
故に、あらゆる毒に対して耐性がある。

呪術廻戦1巻/芥見下々
「毒を以て毒を制す」
おそらく、虎杖の中にある猛毒、「呪いの王」である宿儺が他の毒を攻撃し、駆除しているのだろう。
 
ではとりあえず
宿儺「無毒化」の理由としよう。
では『「なぜ」宿儺の器でいられるのか』
ここを考察していく。
 

【5億の男】

呪術廻戦4巻/芥見下々
領域は呪力で生得領域を具現化する技。
つまり『領域 = 結界×(生得領域 + 術式)』
そして領域展開は洗練度で語られる。
 
私の解釈を含めて、分かりやすく例えよう。
人間コピー機
生得領域「印刷したいもの」
呪力「インク」
結界「コピー紙」だ。

呪術廻戦7巻/芥見下々
いくら「印刷したいもの(生得領域)」が大きくても、「インク(呪力)」が足りなければ「印刷(領域展開)」はできない。

呪術廻戦19巻/芥見下々
「コピー紙(結界)」が小さければ、一部しか「印刷(領域展開)」はできない。

呪術廻戦7巻/芥見下々
逆に、「コピー紙(結界)」がいくら大きくとも、「インク(呪力)」が大量にあろうとも、「印刷したいもの(生得領域)」が小さければ、「拡大され画像がガビガビ」になるか、「余白だらけ」で不格好になる。
コピー機(呪術師)」の精度が悪くても同様に、「印刷(領域展開)」されたものは不完全なものになる。
 
「領域展開」の強弱が「洗練されていること」なら、ガビガビのモノや、余白だらけのモノは”弱い”ことになる。

呪術廻戦14巻/芥見下々
そして宿儺の領域は渋谷時で最大半径200m。
これを最大値と仮定する。つまり、その中身である「生得領域」は半径200mか、それ以上だろう。
まぁ、半径500mとしよう。
体積で考えれば、ざっくり5億㎥。
 
地球の体積は約1兆833億㎦。
 
「はぁ?お前は何が言いたいの?」
 
ようは驚天動地、無敵に見える宿儺でも、
「たかがそれだけ」ということだ。
 
 

【零れない器】

 
Q. 『2ℓの水を持ち運びたい。
    貴方は何を用意しますか?』
 
 
普通は「2ℓ以上が入る水筒(器)」
 
じゃあ、生得領域(心)の広さが
”5億”の宿儺を抑え込むにはどうしようか?
 
当然”5億”以上の容器を用意する。
 
誰だってそーする。
羂索もそーする。
 
 

【広大な生得領域】

以前考察した通り「魂」は
生得領域(心)内にある。
(真人が魂に触れようとして生得領域に入っていたので)
 
そして宿儺は「魂」を切り分けた(1巻)
つまり受肉に関係する要素は「魂」。
 
だとすれば宿儺を抑え込むには、
宿儺の魂の力が薄まるほどに、
器の生得領域を広くすれば良いではないか。

呪術廻戦19巻/芥見下々
まるで術式を中和する「展延」のように、
宿儺の生得領域(心)を薄められれば
『宿儺の器』足り得るのではないだろうか?
 
 

【生得領域を広げる方法】

生得領域(心)が入る容量を増やすことで宿儺の心を薄め、肉体の争奪戦に勝つ。
要は器の容量を上げる。
『 5億㎥を超える器を作る 』
 
仮にこのようにして虎杖を器にしたのだとしたら、どうやって器の容量を上げたのか。
その秘密は
「完全自立型呪骸」にある。
 
 

【自律型呪骸】

「完全自立型呪骸」とは本来、定期的な呪力の供給が必要なはずの普通の呪骸に対し、それが必要ではない呪骸。

呪術廻戦17巻/芥見下々
そして「完全自立呪骸」の作り方とは、「肉体の情報から得られた魂の情報、これを3つ同じ呪骸(肉体)に入れる」。そうすることで呪力の自己補完、ようはエネルギー供給が不要となる。
 
そして余分な魂は、主人格にとっての残基。
まるでマリオのように死んでも死なない。
 
しかし、
「呪力の自己補完」
「残基が得られる」
私の考えではこれらは副産物に過ぎない。
少なくとも羂索にとっては。
 
 

【羂索と完全自立型呪骸】

「3つの魂を1つの人形に入れる。
そうすることで自我が芽生える。」
では「自我」とはなんだろうか。
「自我」が発生することにより、「呪力の自己補完」が行われているということは、「自我」が「呪力」を生んでいるはず
「呪力」は「負の感情」から生まれる
つまり「感情」、「心」だ。
 
ということは、「自我」=「心」

呪術廻戦2巻/芥見下々
そして呪術において「心」とは「生得領域」
 
これらをまとめれば
「 3つの、自我(心)の無い魂の同居により
 生得領域(心)が発生する。」
 
こうなるはずだ。
じゃあ、それで生まれた生得領域は
どれだけ”広い”のだろうか。
3人分の魂によって発生した「自我(生得領域)」
単純に考えれば「3人分」入る広さだろう。
 
仮に、これと同じことを人間で行えたとすれば、圧倒的に広い生得領域を作れる可能性がある。そうすれば宿儺を封じられる。
まるで「展延」のように。
 
 

【展延】

呪術廻戦19巻/芥見下々
展延とは「必中必殺の術式を乗せられるほどの領域に、”あえて”術式を付与しないことで容量を開け、術式を中和する」
 
つまり簡単に言えば、
「超強力な術式を乗せられるほどの領域に、あえて術式を付与せず、その空いた部分に相手の術式を代わりに流し込むことで、相手の威力を弱める」防御技。
 
そして「領域」とは
「結界」「生得領域」「術式」で構築される。
 
 
 
 
そしてこの記事でもすでに書いた通り、受肉に関係するパラメーターは「魂」
前の記事で書いた通り、「魂」は生得領域内に存在する
 
で、何が重要かというと
「容量を空ければその分入る」
「領域≒体内であれば、領域で起こることは体内でも起こり得ること」
この2つ。
 
分かりやすく、
今回の趣旨に合わせて言い換えてみよう。
「超強力な魂である宿儺を乗せられるほどの器(虎杖)に、”あえて”最低限以上の魂を付与しないことで容量を空け、宿儺の意識を中和する」
 
しかし、虎杖悠仁は生きている。
心がある。喜怒哀楽がある。
「魂」が無いとは思えない。
つまり、
『 「魂」が多い状態で生まれなければ器は狭い。
 しかし所持する「魂」が多ければ余白は狭い 』
では、どうやって「魂」を増やし、減らそうか ?

呪術廻戦17巻/芥見下々
”相性の悪い”魂は、
混ざることも安定もしないというのに
 
 

【九相図】

九相図は現在、1番(脹相)以外全員死んでいる。だが、2番と3番以外はその死に方すら描かれていない。
 
呪霊の場合、死後に肉体は残らない
しかし、呪物は「受肉」という過程を挟むことで、人間の体を手に入れることが可能であり、この状態であれば肉体は消滅しない

呪術廻戦17巻/芥見下々
そう、「肉体は消滅しない」

呪術廻戦17巻/芥見下々
肉体が残るのであれば得られるはず。
九相図の「魂の情報」を。
仮にこれを1つの肉体にこめることができれば、
 
そして、その後、主人格(虎杖悠仁)以外
全ての魂を殺すことができれば、
あるいは勝手に死ねば、

呪術廻戦21巻/芥見下々
残るは特級の複数の魂で広げた「心(生得領域)」
圧倒的に広い、その空間(生得領域)は、
その中に入るモノを中和する。
「展延」のように。
 
虎杖悠仁は、
宿儺を閉じ込める”檻”へと変わる
 
 

【余談】

 

【だれ?】

では、虎杖には死んだ九相図兄弟の魂の情報が入っていたと仮定しよう。
なら、誰が魂の情報を追加したのだろう。
丁度、九相図は高専で管理されていたし、
同じ手法にでパンダを生み出した夜蛾学長だろうか?
 
私は違うと考えている。
「実行犯」はさておき「主犯」は。
 
根拠は3つ。

≪1.時期≫

夜蛾学長は完全自立型呪骸をいくつか作成しているが、元の魂が判明しているのは、夜蛾学長の息子の魂から作られていると考えられる「パンダ」。

日下部の妹の息子の魂から作られている「タケル」
この2人。

そして過去遍の風貌 (現代の夜蛾はずっとツーブロック) から考えて、夜蛾がパンダたちを作ったのは夏油謀反以降
つまり少なくとも12年前
 
虎杖悠仁15歳
時期が合わない。
夜蛾が虎杖を”自主的に”作ったのなら、
虎杖を作成
⇒その三年後以降、パンダたちを作成。
となり、意図も分からない。
 
 

≪2.術式≫

「虎杖悠仁(宿儺の完全な器)」
夜蛾が自主的に作ったのであれば、
当然何らかの野望があるはず。
そうでなければそんな高難易度かつ
無意味に思えるものを作る必要がない。
 
そして、自身の術式の範疇に近いパンダ(人形)を”先”に作ったのなら理解できる。パンダたちで実験し、次に人間である虎杖が本命であり本番。
「人間の体に魂を植えたかった」
これなら理解できる。
しかし状況からすると順番は虎杖⇒パンダ
術式を偽っていない限り不自然だ(人間で行おうとして失敗したから人形で息子を蘇らせようとしたのなら動機については理解できるが、やはりその場合でも初めに試すべきは術式範疇内の人形だろう)。
 

≪3.リスクとリターン≫

1や2を無視して考えたとして、
「虎杖悠仁(宿儺の完全な器)」を
夜蛾が自主的に作ったのであれば、
当然何らかの野望があるはず。
それほどの発明なのだから。

呪術廻戦17巻/芥見下々
しかしその野望のためにはパンダはただの呪骸として生活させるべきだ。それが無理なら他の自立呪骸(タケルたち)のように森に隠すべきだ。
そうでなければ自分の身が危うい。
偶然の産物だったという夜蛾の言い訳も、仮に尋問系の呪術師がいたり、生まれてきてしまえば終わりなのだから。
 
そんなリスクを負ってまで、高専の中だけとはいえどパンダを”人間として”、”生徒として”生活させていたのは、「そうしたかった」からであるはずだ。パンダの存在こそが「完全自立型呪骸プロセスの悪用(宿儺の器の作成)」が夜蛾が”自主的に”行ったことではないという証拠と言えるだろう。
 
ではだれが主犯か。
 
当然羂索だろう。
そうなると「完全自立呪骸の製作法」
つまり「魂の同居による自我(心)の発生」
夜蛾が思いつき、至ったことなのだろうか?
 
そもそも虎杖の出生には縫い目の女(香織)が関係しているし、羂索自身も虎杖に対し”我ながら”と言っていたことから、「宿儺の器(虎杖悠仁)」作成に関係していることは間違いない。
 
じゃあ仮に、「魂の作り方」
これを羂索が夜蛾に教えたとすればどうか。
当然、羂索が夜蛾にタダで教えるはずがない。
何らかの交換条件を要求するだろう。
そう、メカ丸こと与幸吉のように
 
「内通者になれ」と。
夜蛾は罪を犯してでも、
息子が帰ってきてほしかっただろう。
条件をのまざるを得ない。
のんで知った「魂の作り方」
うまれたのは息子のような”何か”
 
これならば時系列、目的がしっかり合う。
つまり虎杖作成に夜蛾が介入していたとして、
それは”実行犯”
計画を練った”主犯”とは考えにくい。
 

【超身体能力と魂を感じる力】

以前書いた通り、虎杖悠仁は魂を感じ取る力が元から備わっていた可能性が高い。そして最近、真希が「万物の魂」を感知することによって、空気にすら干渉できるようになった。
私はここに虎杖の他の能力の「秘密」が隠されていると考えている。
 
以前考察した通り、「魂の感知」には他者の魂との同居が大きなアドバンテージを持つ可能性は非常に高い。
そう。ここまで書いた通り、虎杖の器適正の裏に「九相図の魂を植えられたこと」があるのだとすれば、これはつまり他者の魂と同居していたことになる。宿儺が受肉するより遥か前に。
そう考えれば「魂を感じる力」も九相図たちによると考えられる。
 
そして超身体能力。
つまり人並外れた膂力と耐久力。
 
これも羂索によるものだろう。
可能性としては2つ。
 

≪1.真希や宿儺≫

呪術廻戦13巻/芥見下々
詳しくは以前の記事を読んでいただきたいが、「魂の感知」の先には「宿儺」のような、圧倒的強者になれる可能性がある。これによって超人的身体能力を得たのではないか。宿儺も、空を蹴っているのだから。
 

≪2.九相図≫

今の虎杖の中にはおそらく九相図は存在しない。なぜなら、九相図が存在すれば虎杖の中は空白ではなくなり、前提の論理は崩れる(自我=心の無い魂ならあるかもしれない)。しかし、今回の説が正しければ少なくとも過去には虎杖の中に九相図の魂が入っていたはずなのだ。
 
そして、魂に肉体は作用される。
真人のように。
血塗のように。

では、加茂の血が入っている九相図によって
虎杖の肉体が変容している可能性は高い。

呪術廻戦17巻/芥見下々
パンダの兄弟モードように。
 
 

【9相図と9字(※3/8追記)】

交流会で楽巌寺が放った呪霊。
その呪霊の額の札には通称「ドーマン」「セーマン」が描かれている。
これらは蘆屋道満(どうまん)と安倍晴明(せいめい)が由来のおまじないとされており、「ドーマン」は別名字」
より分かりやすく言うと
臨兵闘者皆陣烈在前」
意味は「臨む兵、闘う者は、皆陣列を組んで我が前に在り」。自分を守る兵が前にいると唱え邪気を払うことができるとされる。
これは言うならば邪から身を守る「結界」
生み出したのは播磨の術師、蘆屋道満
 
呪術廻戦にも「蘆屋」は居た。
簡易領域の考案者「蘆屋貞綱」だ。
簡易領域とは弱者の領域。
つまり「結界術」

 

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