素晴らしい 鏖殺だ
紛うことなき呪いの王 両面宿儺。
彼が死後見た夢とは。
単行本派 ネタバレ注意!!
※この考察は少し長いです。
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【呪いの王】
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【両面】
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【伏魔御厨子】
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【死蝋】
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【王の夢】
【呪いの王】
五条をもってして万全の宿儺相手は厳しいと言わせるほどの呪いの王。
両面宿儺
では彼が呪いになってまで何を行おうとしていたのか、それについて考察していこうと思う。
【両面】
彼の名ともなっている両面。理由は単純。顔が二つ、腕が四本あるからだ。
だが、これに違和感を感じないだろうか。
そう、今判明している宿儺の過去のヴィジュアルではアシュラマンのように顔が本当に二つあるようには見えないのだ。
眼が多いことを普通、人は顔が多いとは言わない。ましてや両側の面などと言うことはまずない。
言うときというのは精々人格や本当に顔が複数あるときだけだろう。
【伏魔御厨子】
宿儺の領域展開である伏魔御厨子。この能力については謎が多い。
だが、この名前は完全なるフィクションというわけではなく、存在する言葉を組み合わせたものであると推測できる。
まず伏魔。これは文字通り魔物が伏せる(隠れる)という意味であると推測できる。
次に御厨子。御とはさんま御殿のように凄い建物につける「様」のような敬称のことと考えればよいだろう。
厨子とは文、遺骨、仏像などを入れる両開きの入れ物のことを指す。
つまり、凄い魔物(呪物)が入っている入れ物が伏魔御厨子であると推測できる。
(地味に過去宿儺のヴィジュアルで所持している道具は伏線だったということになり、あの絵と、この推測の正当性が上がる)
【死蝋】
(この先の黄色文字はリアル知識をただただまとめた部分なので最悪読まなくてもいいし、間違っている可能性があります)
宿儺の説明に死蝋とあるが、そもそもどうやってできるものなのかご存じだろうか。
そもそも腐敗とは生物が死ぬと水が出る(魚の切り身を買うと色のついた水が出ているのと同じ。)。その水で微生物が活性化し、酵素を出す(生きた生物の細胞にも水分は存在するがこれでは活性化しない)。結果腐ってしまう。
だが、死蝋となる死体は何らかの原因(例:外気を長時間遮断された状況)で微生物自体が存在しないか、または居ても繁殖できない状況下にあり、脂肪が変性し、蝋やチーズのようになった死体を死蝋と呼ぶ。(乾燥しているミイラとは違い死蝋はヌルっとしているらしい。
よく虎杖食うたな…)
つまり、ただ死んだだけでは普通成り得ないものなのだ。
ではどうやって死蝋と成ったのか。
そう、伏魔御厨子の中で死んだのだ。
(五条の服ごと封印されているので誰かに死体を持たせれば、獄門彊でも可能に見えるが物理的時間が流れていないため、おそらく不可能と考えられる=あの発言は伏線?)
では、死蝋となり、動けなくなったはずの宿儺はどうやって外に出てきたのか。
両面と呼ばれる所以のもう一つの宿儺(以降虎杖の中にいる宿儺を宿儺A、もう一つの宿儺を宿儺Bと呼ぶことにする)が死蝋を外に出した。そう考えるのが自然だろう。
つまり
宿儺A無双→伏魔御厨子の中で死に、体(指)を保存する→宿儺Bが死蝋を外に出すという流れだ。
だが、おかしい。宿儺Aが呪いの王たる力をすべて指に込め、死んだのだとすれば、誰が宿儺Aの術式を行使し、伏魔御厨子から死蝋を出したのか。そう思うだろう。
だが、私たちは知っているはずだ。現在1人だけ死体の術式を行使できる人物が存在することを。
そして偶然だろうか。
彼が宿儺の人となりを知っているような発言をしていること。
彼が呪霊を見下しながら、宿儺復活に協力的であることは。
宿儺Aはただ、自害をし、Bの善意に任せ復活を望んだのだろうか?
否、彼は契約したのだろう。宿儺Bに、復活の協力を強いる何かを。
【王の夢】
これで宿儺が過去から今にかけてこの状況になっている理由は推測できた。
じゃあ宿儺はなぜ今、伏黒に目をつけているのか。なぜ死蝋と成ることを選んだのか。それについて推測していきたいと思う。
伏黒に目をつけるきっかけとなったであろう。このシーン。
実はこのふるべゆらゆらには元ネタと思わしきものがある。
詳細は割愛するが、その中には死返玉と呼ばれる人を蘇させる力があるとされているものが存在する。
そして宿儺復活時のこのシーンを見てほしい。
呪物になるメリットとは何だろうか。真っ先に挙げられるものと言えば、寿命が延びるということだ。
だが彼は肉体にこだわっており、呪物になってまで生き永らえたいという性格には見えない。
ではなぜ呪物となっただろうか。
彼は古今東西どの時代の王も夢見た勝利。「死」への勝利を願ったのではないだろうか。
111話で漏瑚が、魂は廻ると発言していること、五条クラスのレア度であっても過去に前例があること、それらを踏まえると宿儺が存在していた時にふるべゆらゆらの所持者が存在していたと考えても何ら不自然ではない。
ではこれらを踏まえ結論を出すと
千年前、宿儺は人すらもよみがえらせてしまうふるべゆらゆらの所持者に会ったが、そのとき所持者がふるべゆらゆらを命を対価にすることによる呪力制限の解除で使用してしまい失われた。が、宿儺はあきらめきれず死返玉取得のために呪物となり好機をうかがっていたのではないだろうか。
(長くなりすぎたので宿儺の術式考察と偽夏油についての記事は、本編で説明されない限りいつか別の記事に書きます。)
あとできればこれらも見て欲しいです。↓