これは過去の私のツイートを深掘りしブログ化させたものです。
「構築術式」にウェイトを置いて考えると、真希真依って真希が持つはずの術式を失った代わりに膂力が上がったのではなくて、本来は1人だったが、魂が分かれ、真依に術式が行った結果、真希は「術式を失った」扱いになって膂力を得たんじゃないかとか面白いんじゃないかと思う。
— あめどっと (@amedot_r) 2021年2月24日
↓の記事の逆を書くことで全ての可能性にBetしようという魂胆です。
※ネタバレ範囲は1~15巻です。
【目次】
【禪院家の本質】
以前の記事にて「相伝の術式」とは「お家創始者の術式の本質を継いだ術式」であると考察した。これが正しいものとして今回は話を進めたいと思う。
お家創始者の術式の本質を継いだ術式が「相伝の術式」であるのだとすれば禪院家の「本質」とはなんだろうか。
現在相伝の術式として確定しているのは
影で式神を「創る」術式
『十種影法術』
フレームを「創って」
そこに未来の行動を「創り」
「実行(具現化)する」術式
『投射呪法』
これらだ。
ここからわかる通り、禪院家の「相伝の術式」とは何かを「創る」本質を持った術式なのだろう。では何故禪院家は「創る」術式を後世に伝えたがっているのだろうか。
【十種影法術】
伏黒恵の術式である「十種影法術」は
非常に強い術式であり
過去には五条と同じ六眼と無下限の抱き合わせを殺したとまで言われている。
だが不自然ではないだろうか。
無下限とは扱いが難しいため六眼あってこそ、その本領を発揮するのだ。そしてそれらが揃うのは数百年単位で待つ必要があるとされている。そんな組み合わせ故の強さに並ぶ術式が組み合わせ故の力ではないと考えにくい。
「十種影法術」とは
「十種神宝」(八握剣の元ネタ)と
「影法術」の組み合わせ術式
だったのではないだろうか。
ならば他の術式と組み合わされば
どうなるのだろうか?
【構築術式と影法術】
十種影法術は確かに強い術式ではある
現在判明している中で唯一、五条悟を殺しうる術式と言っても差し支えはないだろう。だが所詮術者は人間に過ぎない。寿命があれば老化もする。次の世代に渡るかすら確実ではない。つまりどこまでいっても「一代限りの繁栄」しかもたらさない。なぜなら十種影法術で生み出したものは術式解除と共に消えてしまうからだ。
だが世界には術式を解除しても生み出したものは残り続ける術式が存在する。「構築術式」だ。
だったら「十種構築術式(仮)」と
乙骨憂太のような桁外れの呪力
その両方を備えた人間が生まれるまで
「創る」術式を継ぎ続けよう。
そう考えるのは自然なはずだ。
例えば構築術式によって「八握剣」が具現化されればそれは後世に残り続け、家の繁栄は術者の死後も保証されるだろう。
「構築術式」はむしろ当たりの術式なのだ。
【禪院真依】
ここまでは「構築術式」の価値を説明した。
そして「構築術式」を現在作中で使用する人間は禪院真依しかいない。(乙骨も0巻でメガホンを具現化していたが、構築術式とは限らないので省く)
「構築術式」が作劇的価値が高いのならば
禪院真依も同様に高くても不自然ではないはず。
だが今更落ちこぼれに見えて実は強かったんですよ。なんて言われてもジャンプ漫画の主人公じゃあるまいし受け入れられない。
なら価値を高めるには「境遇」を特殊にすれば良い
例えば過去に出てきた双子のジンクス。
双子は凶兆であるというものだ。
これがジンクスじゃなかったとしたら?
論理的に説明できる現象ならばどうだろうか。
【一人前】
真希と真依は知っての通り両方落ちこぼれだ
真希には呪術的才能が一般人程に無く
真依には中途半端な呪術的才能しかない。
まるで「2人で才能を分けた」かのようだ。
双子とは呪術的に見れば「2人」が生まれてくるのではなく、「1人」が分かれてできるものだとすればどうだろう。
1の才能を、魂を2人で分けるのだ。
真希は本来得るはずだった術式や呪術的才能を失った代わりに「天与呪縛」を得たのではなく、「1の才能」に含まれた術式が真依に行ったため、真依は「失った」扱いになり、あの膂力を得たのではないだろうか。
つまり双子=凶兆となっているのは根拠の薄いただのジンクスではなく、本来人間は「1の才能」を「1の人間」が独占するのに対し、双子は「1の才能」を「2の人間で分け合う」ためからなのではないだろうか。
「1の才能」を0.5ずつ分ければ文字通り半人前の術師が2人生まれ、「1の才能」を0.7と0.3ずつ分ければ丁度今の真希と真依のように「中途半端な術師」と「中途半端な天与呪縛」が生まれてしまうのではないだろうか。
真希と真依は2人で”一人前”だったのだ。
真希と真依がそれぞれ一人前になるには何をすれば良いのだろうか…