amedotのブログ

呪術廻戦の考察を主に書きます

【呪術廻戦】鉛直に堕ち、呪物に成り果て、輪廻する快哉

脹相たち、九相図は、
「他者に害を加えない縛り」
破壊不可能な呪物になり時を超えた。
 
しかし獄門疆
「他者を封印する元人間の呪物」
つまり「害を与えられる呪物」
 
ということは
『成り果てた呪物』には
最低2つ、制作法があるということだ。
 
その可能性を考察した
禪院直哉の”成れ果て”とともに。

 

ネタバレ範囲は0~20巻+公式ファンブック(FB)。

+【余談】の【禪院直哉】は193話のネタバレを含みます。

 

 

 

【目次】

【存在保障の呪物】

ただ1つ明言されている呪物化の方法は

呪術廻戦7巻/芥見下々
「他に害を為さない縛りによって
存在を保証する」
 
つまり「存在する意味を消す」代わりに
「ただそこに在ること」を認める』契約
 
これを満たせば呪物化できる可能性は高い。
しかし、明確にこの”縛り”を結んでいない
「成り果ての呪物」が存在する。
 
「獄門疆」だ。
 
 

【獄門疆】

呪術廻戦11巻/芥見下々
獄門疆とは源信という元人間の
「成れ果ての呪物」
能力は『1分間足止めをした人間の封印』
五条すら1分で封印する超強力な呪物。

呪術廻戦7巻/芥見下々
甚だ例外の宿儺を遥かに超える他者への害。
どう考えても彼は「存在保障の縛り」を結んでいない。
 
ならどうやって「成り果てた」のだろうか?
(○○術式で呪物化させました!!や、「存在する意味を消す縛り」を何かの縛りで代替した「存在保障の縛り」で呪物化とかだと、可能性が無限なので今回は考慮しない。)
 
 

天元と羂索と宿儺と裏梅】

源信とは平安中期に実在した人間。
つまり1000年近く前に存在している。
 
ならば源信が、”誰か”の手によって獄門疆に成り果てたと仮定するなら、それが可能なのは千年前から生きていた人間、それも実力者に限られる。
つまり、
・羂索
・裏梅
・宿儺
描写が多いこの5人の誰かだろう。
 

呪術廻戦17巻/芥見下々
しかし獄門疆を天元は裏門以外”見失っていた”

呪術廻戦17巻/芥見下々
羂索は獄門疆を”探していた”
 
獄門疆は最強の呪術師「五条悟」すらもたった1分で封印可な、他に類を見ない超強力な呪物天元や羂索が源信の呪物化に関与できるほどに近しい人物だったなら、どう考えても確保しておきたかった呪物のはず。ならば、源信が獄門疆に成り果てた手順に天元や羂索が関与している可能性は限りなく低い
 
そう考えると残るは裏梅、宿儺、源信
 
裏梅は宿儺の部下。つまり千年前の人物と考えられるにもかかわらず、現代に存在している。何かしらの手法で時を渡ったのは事実だろう。しかし獄門疆であるとは考えにくい。

呪術廻戦11巻/芥見下々
獄門疆の中は物理的な時間が流れていない。ようは五億年ボタンのようなもので、肉体は全く老けず、変化もしないはず。せいぜいストレスで髪色が変わるとか、その程度だろう。

呪術廻戦14巻/芥見下々
その程度の変化しかしない仲間を見て、一瞬間を開けないはず。つまり裏梅は宿儺が最後に見た姿から多少変化しているはずで、”そういう手段”を使って時を渡った可能性が高い。
例えば、「呪物化からの受肉のような術を。
 
もう、残るは宿儺と源信だけだ。
どちらかの術式、あるいは知識で、
源信は呪物化したはずだ。
 
じゃあそもそも源信は、”なぜ”
「成り果てた」のだろうか?
 
 

源信

源信が成り果てた理由は大別すると
・故意的
・事故的
こうなる。
 
 

≪獄門疆に!おれはなるっ!!≫

前者として考えてみよう。
呪物に成りたくて成ったとすれば何故か。
 
源信は史実では、「地獄と極楽」について研究していた僧侶。故に地獄を恐れ、呪物に成ってでも現世に居座っていたかったのだろうか?しかし、身動きのできない物質になって、いつ戻れるか、本当に戻れるのか、そんなことすらわからない状態で悠久の時を過ごすかもしれない。それはもう地獄と相違ないだろう
 
呪物に成ってでも成し遂げたかった目的があったとすれば理解できるが、前述した通り源信天元や羂索と関係が薄い。自分のために呪物に成って、動けなくなって、しかし協力者はいない。復活のめども当然立っていない。というのは意味が分からない。
よってこの場合残るは宿儺関係になる。
 
 

≪獄門疆になっちゃった……≫

後者として考えてみよう。
誰かの明確な目標で獄門疆になっていないなら、術式が関係ないところで獄門疆になったということだろう。つまり、かなり汎用的な方法による呪物化だ。
 
 

【ここまでをまとめると…?】

1.宿儺関係の野望を果たすために、
 源信(自分)、あるいは宿儺によって呪物化
 
2.汎用的な方法で呪物になってしまった
 
このどちらかであるはずだ。
1の場合、宿儺と源信の関係性から考察する必要があり、長くなってしまうためまた別の機会に考えることにする。
 
 

【汎用的な”呪い”化】

誰でも”呪物”に成る方法は不明だ。
 
しかし「呪い」であれば成る方法はある。

呪術廻戦4巻/芥見下々
「呪術師を呪力以外で殺す」ことだ。
これならば呪術師であれば誰でも実行可能。
仮にこの「呪い」呪霊だけではなく呪物が含むのならば、「汎用的な呪物化プロセス」と言えるだろう。
 
では、そうではないとしたらどうか。
そもそも、呪霊に堕ちた人間が死んだら、
何処に逝くのだろうか。
 

【呪いは廻る】

呪術廻戦13巻/芥見下々
漏瑚曰く、呪霊の魂は人間関係なく廻る
つまり「輪廻」する
 
『漏瑚たち呪霊は人間たちの負の思いで形成されているから、大地に対する負の念の結晶、「漏瑚」が死のうと、人間たちがいる限り、大地への負の念は止まず、「大地の呪霊」が再度発生する。だから呪霊の魂は廻る。』
 ということなら理解できるが、人間に関係なく廻るのだからそうではない。そして人間以外の動物たちの念で復活する可能性は、まぁまずないだろう。人間は「大地」と明確にイメージして、それを共有することで、皆で恐怖することが可能だが、動物たちはその手段を持たない。動物たちの思いは積み重なることはない。
 
誰の思いも関係なく、
少なくとも漏瑚たち特級呪霊の魂は廻り、
いつか復活する。
 
つまりこれはもう、
「死んでいない」と同義だ。
 

【怨霊里香】

呪術廻戦0巻/芥見下々
怨霊里香はほぼ「祓えない」
この五条の言葉は、
「あれだけ強いと倒せる人はほぼいない」
と捉えることもできるが、
「怨霊里香クラスは肉体の破壊=死ではなく
魂は残り、いつか復活する可能性が高い」
的な意味でとらえることもできる。
 
突飛に聞こえるかもしれないが、過去を思えば当然なのだ。
 

【真人】

真人は魂を直接攻撃できる相手以外からはほぼダメージを受けない

呪術廻戦11巻/芥見下々
そして野薔薇の術式や、虎杖と宿儺のような特殊な環境がない限り、魂の破壊は不可能。現に現代最強の呪術師、五条すら真人の魂の破壊は行えていない
そう、「魂」は破壊できないのだ

呪術廻戦4巻/芥見下々
真人は宿儺に対し「魂の格」が違うと言っていた。ということは魂には「格」が存在し、それは強力な呪術師や呪霊ほど高いのだろう。
 

呪術廻戦公式ファンブック/芥見下々
怨霊里香は”呪い”によって、「折本里香」の魂が現世に抑留された姿。つまり「呪い」は魂を抑留しうるということだ。
 
「魂は破壊できない」
「魂には格が存在する」
「呪いは魂を抑留しうる」
そう考えると、漏瑚の「魂は廻る」
五条の「祓えない」も納得ができる。
 
 
大多数の呪術師や呪霊には
「魂の破壊」はできない。
だから祓われたとしても魂は世界に残る
 
魂には格、つまり強弱や高低が存在する。
当然、強い方が魂は破壊されにくいはず
 
「呪い」には魂を縛り付ける力がある
だから「呪い」。つまり「呪霊」
世界を廻り続ける。 
ということだ。
 
なら「呪い」に堕ちた呪術師はどうか。
 

【呪霊堕ち呪術師の末路】

強力な呪霊が死後も世界を廻り続けるのなら、
元呪術師の呪霊はどうなるのだろうか。
 
それこそ「成り果ての呪物」ではないだろうか。
 
呪いを多量に宿す呪術師が、
呪いを相殺されることなく無念に死ぬことで、
「呪霊(呪い)」成り永劫の輪廻に堕ちる。
そして、呪術師に祓われることで
「呪物」として果て、久遠の無を味わう。
 
成って、 果てるのだ。
 
 

【余談】

【総括】

結果、呪物化プロセスの可能性をまとめると
・存在保障の縛り(術師、呪霊堕ち術師)
・宿儺か自分の野望のため固有の技で呪物化
・術師が呪霊ほどに大量に呪力を宿したのち、死亡で呪物化
あたりになりそうだ。
(⇓生きたまま呪いになる方法も過去に考察している)
 

【輪廻転生】

ちなみに、永遠に現世に生まれ変わり続ける「輪廻転生」。一見すると良いことのように聞こえるが、仏教的には悪いことである。「輪廻転生」を脱し、「永遠の幸福」に至ることが仏教における目的。幸福だ。
そう考えると呪霊が永遠に世界を廻り続けるのは自然だと思われる。
正に「呪われている」
 

【禪院直哉(193話の重大ネタバレ含む)】

 
 
 
 

呪術廻戦193話/芥見下々
禪院直哉は呪霊に堕ちた
祓われ呪物化するか、
「存在保障の縛り」で呪物化かはさておき
呪物に「成り果てる」日も
近いかもしれない。
そしてその場合、受肉者としての復活する可能性も0ではないだろう。(存在保障の縛りを結んでいる呪物は”他者に害を与えない”ため、器を選ばずに受肉が可能だが、それを結ばずに呪物に成る方法の場合、器を選ぶことになる。)
 

 

 

【関連記事】

⇓過去に、呪物化プロセスについて考察したことがあったが、今回の内容を踏まえると、九相図の母親は呪霊に堕ち、更に死んだのかもしれない。

amedot.hatenablog.com

 

⇓禪院の近親婚(近親相姦)の可能性

amedot.hatenablog.com

 

⇓生きたまま呪いになる方法

amedot.hatenablog.com