amedotのブログ

呪術廻戦の考察を主に書きます

【呪術廻戦】重囲の『天元』を羂索は打つ。 回游の碁盤へと

天元
呪術廻戦においてこれは
奈良時代「術師」に対する道徳を説き
現在、高専地下で結界にこもる元人間。
 
しかし古代中国においては
「万物の起源」
囲碁においては
「中心点」を指す。
 
そんな天元」と術式を考察する。

ネタバレ範囲は0~20巻+公式ファンブック(FB)
※今回は少し仮定や推測が多くなっています。
目次の「古代中国と囲碁」~「死滅結界の基」が死滅結界の話で、それ以降が天元の術式の話になります。
 
 
【目次】

【古代中国と囲碁

前述したとおり、現実社会における天元とは「万物の起源」「中心」だ。
では、なぜ、現実社会では
「万物の起源」「中心点」なのか。
 

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その由来は古代中国。
天元とは別名「太極」
太極拳や勾玉で有名なアレだ。
 
『「太極」は万物の根源。
ここから「陰」と「陽」の二極が生じる。
そして、「陰陽」に万物は分類できる。』
というのが古代中国の思想。
 
故に「太極(天元)」は万物の起源。
ちなみに、これを元ネタ(諸説あり)に、
大黒柱を「太極」
囲碁の中心の黒点天元と呼ぶ。

天元を由来とする宗教が
「盤星教」と名乗る訳はここにあるのだろう。
(碁盤の黒い点のうち、中心の「天元」以外の黒点は「星」と呼ばれる。)
 
(以降、中心や起源を意味する方を天元、呪術廻戦に登場する異形のあれを天元様」と呼ぶことにする。)
 
 

【死滅回游の天元

呪術廻戦17巻/芥見下々
外に守護対象を置くことができる「嘱託式帳」に"結界の基"が存在しているということは、嘱託式を除き、帳発動時にはある程度の近い場所での発動が必要で、遠隔で結界を張るのは困難と考えられる。そして、死滅回游の結界は帳のように視覚の阻害効果があり青森から鹿児島までの間に点在している
 
つまり超遠距離になる死滅回游の結界は嘱託式帳のように、どこかに「結界の基」があり、遠隔で結界を起動しているはずだ。それはどこにあって、どんなものなのだろうか。
 
羂索はかなり無理をしてまで強引に死滅の結界を張っている。探せばすぐ見つかるようなところに、弱い守護対象を配置しているとは考えにくい。
 
ならば、
・見つからないような場所に配置
・壊せないようなモノを守護対象
このどちらか、あるいは両方であるはず。
ではそれはなんなのだろうか。(天元の結界をハッキングしていたり、羂索自身を結界の基として使用している可能性は無くはない)
 
 

≪見つからないような場所≫

見つからないような場所とは何処か。

呪術廻戦17巻/芥見下々
天元様が本当に呪術高専や虎杖たちの味方であると考えるなら、天元様にもわからない所に配置しないといけない。しかし天元様は結界内にあるものを認知することができるため、天元様を拒絶する結界内か、天元様の結界外に配置する必要がある。
 
つまり現状は
「海外」と「死滅回游のコロニー」
これらが『見つからないような場所』
(死滅回游の結界以外にも、羂索が作った天元様を拒絶する結界がある可能性はあるが今回は考慮しない)
 
しかし、広大な海外ならまだしも死滅回游のコロニー内に「結界の基」が存在するのだとすれば、その素材は『壊せないようなモノ』の必要がある。
死滅の結界はさして広くないからだ。
見つけ出し、破壊を試みることは難しくない。
 
 

≪壊せないようなモノを守護対象≫

では壊せないようなモノとは何だろうか。

呪術廻戦20巻/芥見下々
結界内には泳者最高出力の石流がいる。
死滅回游を続けさせるためには、彼やその他強者たちでも結界やその基を破壊困難である必要がある。虎杖の中にいる宿儺がいつ暴走を始めるか分からないのだから、極論言えば宿儺ですらほぼ不可能であると尚良い。
 
その可能性があるものが1つ存在する。
「呪物」だ。
 
しかしただの呪具は破壊可能であるものが多い。特級呪具である遊雲すらも、パパ黒の力で遊雲自身の攻撃を受けたとはいえ容易に破損している。
「黒縄」や「天逆鉾のように攻撃を阻害できる、特殊で強力な呪具でなければ『壊せないようなモノ』とは呼べないだろう。

呪術廻戦公式ファンブック/芥見下々
だが特級呪物ならば解決できる
※呪いがこもった武器が呪具、宿儺の指のようにそれ以外の呪いがこもった物質が呪物
 
例えば九相図のように「他者に危害を加えない縛り」を結び、その対価として圧倒的な強度を得れば良い。
 
 
つまり
「強力で特殊な呪具」か「特級呪物」
これらが『壊せないようなモノ』
 
 

≪死滅回游結界の基の要件≫

これらをまとめると、死滅結界の基としての要件は
 
天元様の協力による隠匿」
「海外にあること」
「呪物か特殊な呪具(天元拒絶結界内)」
 
このどれかであると予測できる。
 
天元様に協力してもらい、結界の元を隠匿していれば、見つかる可能性は低く、破壊される可能性も低い。海外だとするならば羂索が訪れている描写のある中国の可能性が高い。
 
しかしこれら2つは動機や意図が不明確だ。
天元が羂索と協力関係にある理由は分からないし、中国に行っていたから、そこで誰かに会っていたから、中国に結界の基があると考えるのは少し強引だ。これらの可能性については、また別の機会に考察しようと思う。
 
なので今回はあくまで
天元と羂索は敵対関係」
「結界の基は国内のどこか」
として考える。
 
つまり「呪物」の可能性を考える。
 

【死滅結界の基】

死滅結界の基が呪物ならば
どんな呪物なのだろうか?
破壊困難な力や、縛りを有しているはず。
現在描写内で可能性があるのは
 
・宿儺の指
・呪物化した過去術師
・天逆鉾
・加茂憲倫の呪術文化財
 
この辺りだろう。
(術師を結界の守護対象にしている可能性はあるが、この場合石流たち以上に超強力な術師を基にしているか、倒される前提で結界の基にしていることになる)
 
 

≪成り果ての呪物(宿儺等)≫

呪物化した過去術師を結界の基としているならば、それを結界の基としてのみそれらを使うとは考えにくい。呪物化した人間は羂索と何かしら契約を結んでいるからだ。

呪術廻戦14巻/芥見下々
縛りの法則から考えてそれは羂索からの一方的なものであるとは思えない。例えば呪物化させ、時を渡らせてあげる代わりに復活後暴れさせてあげる等の縛りを結んでいると考えるのが妥当。
呪物化させ、結界の基盤としてのみ使う。
そんな縛りは一方的過ぎてありえない。
ならば成り果ての呪物が結界の基になっているならば、それらもいつかは受肉するはずだろう。いや、もう既にしているのかもしれない。
 
 

≪天逆鉾

ジャンプGIGA2021AUTUMN
逆鉾は実は欠けている。
ジャンプGIGAの情報にはなるが、他にも書かれている情報を見ると、かなり詳しく書かれているし、本編のデザインからして折れているのは事実に思えるので先生が関与している可能性は高い。
 
そして天逆鉾が欠けているのだとすれば、その欠片はどんな力を持ち、どこに存在するのだろうか。呪具は欠けていても同じ能力を有するのだろうか?有するのだとすれば、欠片の能力もパパ黒の持っていたものと同じはず。
では、仮に違うとすればどうか。
「パパ黒の使っていた天逆鉾」と「欠片の天逆鉾の能力が違ったとして、元は一つだったのだから、遠い性質の能力であるとは考えにくい。
「二つで一つだった能力が
逆鉾の破損によって分裂した。」
こう考えるのが自然だ。
 
逆鉾の能力は「術式の強制解除」。しかし、五条が呪力で刃を引くのを防げているように、呪力に対しては効果を発揮できない。天逆鉾が2つで1つであったとするなら、この点に対して効果を持つと考えられる。
「術式の強制解除」と「呪力の無効化」
合わせて『呪術の完全否定』は考えやすい。
 
 

≪加茂憲倫の呪術文化財

憲倫の呪術文化財が残存しており、憲倫の体を乗っ取っていた羂索が持っている可能性は低くない。そして「呪術文化財と称されるほどの呪物であれば結界の基としても十分だろう。しかし、現状登場していないため、これ以上の考察は不可能だ。
 
 

天元様と太極】

天元とは前述したように「太極」であり、「万物の根源」「中心」を意味する。
 
 

呪術廻戦公式ファンブック/芥見下々

宿儺は宿儺っぽいから宿儺と呼ばれている。
 
じゃあ天元様はなぜ天元なのか。
 
もちろん宿儺とは違って本名である可能性はあるが、その場合、芥見先生はどうして彼に天元という名を授けたのだろうか?何か理由があるはずだ。
 
呪術界の中心? それだけか?
 
見た目? 天元っぽい見た目ってなんだ?
 
なら残るは「力」だろう。
天元様の力は大きく分けて2つ
・超強力な結界術
・「不死」の術式
・結界の強化
 
 

≪超強力な結界術≫

 
天元様は日本全土に及ぶほどの結界を構築し、途方もない期間維持し続けた。そしてその結界によって日本に術師が増えた。
正に呪術師の「起源」
呪術師の「中心」
名に偽りなく天元
 
しかし天元様が張ったモノを除いて結界術は必中を付与したり、呪霊を炙り出したり、何かを閉じ込めたり、拒絶したり、隠したりすることはできても、術師を作り出すことは不可能なはず。明らかにただの結界術の範疇を逸しているように見える。ならばどうやって結界によって呪術師を増やしたのだろうか。
 
考えやすいのは「術式」
それが生得術式かはさておき、術式が付与された結界を展開することで、日本人を術師へと変化させた。そうだとすれば納得できる。では、付与された術式とは何だろうか。
 
 

天元様の術式】

天元様は「不死」の術式を持つが、「不老」ではなく、故に500年単位で肉体を一新しなければならない。じゃあ『どうやって』肉体を一新するのだろうか。

呪術廻戦8巻/芥見下々
それは天元様と適合者との同化だ。
ならばどうやって同化するんだろうか?
 
 
死滅回游泳者の過去術師や九相図のように呪物に変化してから受肉するんだろうか?だとすればどうして「適合者」が必要なのだろうか。 

呪術廻戦17巻/芥見下々
高次の存在になった天元様はさして強くない。生前もそうだっただろう。ではどうして適合者である必要があるのか
 
特級相当の九相図は才能の無い人間でも器足り得た天元がこれよりさらに強かったとしても器になる人間なんて山ほどいるだろう。そもそもそれだけ強くて羂索に無条件で取り込まれる実力差があるとは考えにくい。
なぜ星漿体でなければいけないのか

呪術廻戦8巻/芥見下々
天元様の同化は肉体の情報を「書き換える」ことで肉体を乗っ取っている。おそらくそれの負担がかなり大きいのだろう。例えば、遺伝子情報が遠ければ書き換え量が増えてしまうとか、そんな感じで。
 
天元様に「書き換える力」があると仮定すれば、「不死」「術師や呪霊の活発化」もこれに起因していると考えられるだろう。
 
 

【書き換える力】

呪術に「○○できる力」は限りなく少なく、術式はモチーフが存在することが多い。包丁や影絵、無限等だ。なら、天元様の「書き換える力」にもモチーフがあるはず。
 
それは何か。
私は囲碁であると予測した。
 
根拠は2つ。
まず1つ目は天元様に関係する言葉には囲碁を連想させるものが多いこと。名前になっている天元天元様を崇拝する教団、盤星教の「盤」と「星」、これら全て囲碁にも同じ用語が存在する。
 
2つ目は囲碁のルールだ。
簡単に言えば、囲碁は自分の色の石で相手の色の石を「囲む」ことで相手の石を奪うことができ、それを使うことで相手の陣地を減らすことができる。これはまるで「結界」や「領域展開」のようではないだろうか?
「囲み、奪い、置き換える」
正に「書き換える力」と言えるだろう。
 
囲碁のように、「結界」と近しい性質の術式を持っているならば、天元様が結界術に長けている理由も説明がつく。

呪術廻戦17巻/芥見下々
そして天元が結界をシャッフルできる理由。
これも囲碁のルールに照らせば説明がつく。
囲碁は奪った石を別の所に置き換えることができる。
 
次に「不死」「術師、呪霊活発化」の理由。これらは少し苦しいが、星漿体の肉体を「書き換える」ことが可能であれば、人間の肉体を書き換え、呪霊や術式が生まれやすいようにすることは不可能ではないだろう。
不死性は少し苦しい。不死になるレベルで細胞を書き換えれるのであれば不老も可能に感じてしまう。考えられるのは「囲んで確保する」能力の応用だろうか。天元様が「囲んで確保」したモノは「置き換える」まで状態が強制的に保存される。
こう考えれば少し無理やりではあるが、文面通りに「不死の術式」であると仮定して、他の説明をつけるよりは自然なはずだ。
 

【余談】

 

【真逆の可能性】

先ほどは死滅結界の基は「壊されないようなモノ」、「見つかりにくい場所」である可能性が高いと言ったが、羂索が「最悪破壊されてもいい」と考えているなら話は別だ。
 
「結界の基を破壊されるリスク」を許容した方が結界の性能は上昇する。渋谷のときのように分かりやすいところに破壊しやすいモノ配置している可能性はある。その場合、それを守る方法もセットで配置しているだろう。