この記事は術式と遺伝について
考察した記事です。
ネタバレは1~14巻です。
※ややこしい記事となってしまったのでまず結論を表す図を貼ります。
この図と【近親婚】の所さえ見ていただければ伝えたいことは8割伝わるようになっております。
(下図はあくまで例です。)
これの根拠の提示や、説明を
今からしていこうと思います。
【目次】
【相伝の術式】
御三家の1つ、禪院家では相伝の術式をもって
生まれることでちゃんと人として認められる。
だがおかしいのではないだろうか。
純粋に強者を生み出し、
御三家としての威厳を保ちたいのであれば
「相伝の術式」にこだわる必要性が分からない
ならば「強力な術式」ではなく
「相伝の術式」である必要性が
存在するのではないだろうか。
【3つの遺伝経路】
「術式」の遺伝に3種類存在すると考えよう。
・先祖の術式をそのまま受け継ぐ
・先祖の術式が混ざり変化し受け継ぐ
・突然変異を起こし、全く別の術式に目覚める
という具合だ。
ここからはこの3種が正しいとし話を進める。
次に「相伝の術式」の定義を仮定してみる。
【相伝の定義】
「本質」を継いだ術式だと仮定する。
例えば創始者の術式を
「十種の強力な道具を具現化する術式」
とする。
だが、先ほどの3種類の遺伝経路が正しいとすれば創始者の「そのままの術式」を継がせられる可能性は単純に考えても1/3。しかも術師は命がけ。いつ死ぬかもわからず、子供を作る前に死んでしまうかもしれない。そもそも子宝に恵まれるとも限らない。そんな中で確率の低い賭けをしなければいけないことになる。
なら「そのままの術式」の継承にこだわるのは
「家」の存続が危うい。
かといって「創始者の力」を継げないのならば
「家」にこだわる必要もない。
だが逆に言えば「創始者の力」を継げれば
「そのままの術式」の必要はないはずだ。
要するに「十種の道具」を
具現化することができれば
その方法にはたいして価値はないのだ。
そうしたとき子供にもこの強力な道具を使用させるためには「具現化」するという力が重要になる。これが「本質」であり、それを継いだのが「相伝の術式」ではないかという話だ。
具現化する能力さえ継いでいけば、創始者から続く「本質」の継承によって、いつかは隔世遺伝的に「十種の道具」を具現化できるかもしれない。
だが仮に全く違う力、例えば「式神を操る術式」保持者を当主にしてしまえば、次代で「具現化する力」に目覚めない可能性が高いだろう。そして「具現化する力」を失うことは「創始者の力」の本質を失うことに繋がってしまうのだ。
つまり先ほどの「3つの遺伝経路」と
という定義。
これらを図でまとめるとこうなる。
つまり言ってしまえば御三家の血を濃く維持し
創始者の力を脈々と受け継ごうとしているのだ
じゃあ血を濃くするには
どうすればいいのだろうか。
「近親婚」だ。
【近親婚】
近しい血縁の者と結婚すれば
不純な血は入りにくい。
事実、とある王族は血の保持を名目に近親婚を
繰り返してきた過去があると言われている。
「特殊な家系」、「特殊な力を持つ」者が
血の濃さ欲しさに近親婚をするというのは
現実的に見ておかしい話ではないのだ。
そして、近親婚をしているのだとすれば
呪術師に容姿が重要な意味が分かる。
術師は一般人に簡単に言える職業ではない
当然、結婚先を探すのならば
呪術師の中に限られるはずだ。
そして強い(金が稼げる)術師に
一般家系は少ない。
更に名家が基本的に近親婚をし(近親に女性がいない可能性もあるので家の外と結婚する可能性が0はありえない)、同じような遺伝子ばかりを受け継いでいくのであれば、そこにブスな遺伝子が混ざってしまえばブス遺伝子を研ぎ澄ませ続け、とんでもないブスを生み出してしまうかもしれないということになる。
誰でもいくら強くてもブスは嫌だろう。
だから美人な術師に価値があるのだ。
↓それに禪院家に似た顔が多いのも似た環境が多いのも「近親婚」によるものなのかもしれない
しかし、近親婚を繰り返せば
「奇形児」が生まれる危険が高いとされる
そう。「奇形児」
生まれつき顔が特殊。体が特殊。
そういった人間だ。
術師にもそんな人間が1人いたはずだ。
いや、今は呪物だったか。
↓続き。