amedotのブログ

呪術廻戦の考察を主に書きます

【呪術廻戦】捨てられた「命の形」と構築された「刃」

148話と149話と9巻からパパ黒について考察しました。

ネタバレ範囲は1~15巻に加え148,149話の重大なものを含みます。お気を付けください。

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全く関係ないけどTHE BACK HORNさんの「刃」好きです。ジョジョMADがとてもgood

www.youtube.com

【MAD】刃 × 亜空の瘴気ヴァニラ・アイス - YouTube

 

【目次】

 

【真希の刃】

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呪術廻戦149話/芥見下々

149話にて真依は命をもって刃を作り出した

全てを破壊するための「刃」

その刃には白く

さらりとした毛が生えていた。

 

これに見覚えがないだろうか?

 

 

 

【似た刃】

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呪術廻戦9巻/芥見下々

そう、9巻でパパ黒が持っていた「刃」

酷似しているのだ。

 

【失ったもの同士】

そして149話のこのシーンに注目して欲しい

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呪術廻戦149話/芥見下々

覚醒した真希の前に立ち、恐怖した扇が

過去のそれと真希を重ね見ている

だがパパ黒は何故怒っているのだろうか

いつの怒りに扇は怯えているのだろうか

 

【大切な人】

パパ黒は恵を捨ててしまった。死ぬ間際に心配していたとはいえ、それは変えることのできない事実だ。

だが奥さんは分からない。

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呪術廻戦9巻/芥見下々

奥さんを守るために、弱者に居場所のない禪院家を飛び出し、名前を捨てたのだとすれば、パパ黒にとってそれ程に大切な人だったと考えられる。だからこそ逆にそれを失い、自暴自棄になり、忘れ形見である恵を捨てたのかもしれない。

 

自分も

大切なものも

「失った」から「捨てた」のだ

 

ところで、禪院家を出ることは簡単なことなのだろうか。

禪院家から自由に出れるのだとすれば、才能のない者は命の危険がある呪術師なんてやめて、一般職にでもつけば良いはずだ。自立に際し金銭的に困るのであれば自衛隊等にでも入れば良い。才能のない者にとって地獄ともいえる禪院家よりはよっぽど生きるのは簡単なはずだ。

ならば何故しない?

禪院家が許さないからだろう。

家から出すということは「血」が外に漏れるということだ。その人間が一般人と子を成してしまったら?その子供が恵のように類まれなる素質を持ってしまったら?

家を乗っ取られる事だってあり得るだろう。

「分家」「家出」は意味が違うのだ。

 

ならば何故

「禪院甚爾」「伏黒甚爾」

なり得たのだろうか?

 

簡単な話だ。

その力を以て襲撃者たちを全て倒せば良い

  

そして襲撃者が狙うのはなんだろうか。

若き五条を不意打ちとはいえ窮地まで追い込んだパパ黒を正面から倒すことは非常に難しいだろう。なら、用意すれば良い。人質を。

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呪術廻戦148話/芥見下々

丁度、今回の扇のように。

瀕死の奥さんを横に置き、そして戦う。

イメージの中のパパ黒が素手なのは、まだ呪術師殺しをやっておらず、金がなく武器が買えなかったのではなく、持たないように言われたのかもしれない。

 

【近親者】

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呪術廻戦9巻/芥見下々

パパ黒の奥さんは非常に禪院家にありがちな顔をしている。

顔が似る理由は「偶然」「必然」

世の中には3人、同じ顔の人間がいると言われる。これが「偶然」によるもの。

 

amedot.hatenablog.com

次は「血」の近さ。

近親婚を繰り返したハプスブルク家では似た特徴をもった人間が多かったらしい。これが「必然」だ。

そして禪院家は親が違おうとも似た顔が多く存在する。よって禪院家は「近親婚(近親相姦)」を行っているとしてみよう。そうすればパパ黒の奥さんの顔のパーツの酷似には当然意味があるはずだ。

 

つまり奥さんは禪院家(の分家)の可能性があり

「構築術式」を持っていた可能性がある。

 

そう考えると

2つの「刃」が似ている事

それらを使う「人間」が似ている事

 

これらには意味があり、

禪院家に降りかかる「呪い」

そう呼べるのかもしれない。

 

禪院家の力を「呪い」と呼ぶのなら

捨てた者たちだけが不幸となるのは

不自然なのだから。


amedot.hatenablog.com

 

 

【呪術廻戦】禪院真希と禪院真依は”一人前”「 構築術式と十種神宝」

これは過去の私のツイートを深掘りしブログ化させたものです。

 

 

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↓の記事の逆を書くことで全ての可能性にBetしようという魂胆です。

amedot.hatenablog.com

 

※ネタバレ範囲は1~15巻です。

 

【目次】

 【禪院家の本質】

以前の記事にて相伝の術式」とは「お家創始者の術式の本質を継いだ術式」であると考察した。これが正しいものとして今回は話を進めたいと思う。

amedot.hatenablog.com

 

お家創始者の術式の本質を継いだ術式が相伝の術式」であるのだとすれば禪院家の「本質」とはなんだろうか。

 

現在相伝の術式として確定しているのは

影で式神「創る」術式

『十種影法術』

 

フレームを「創って」

そこに未来の行動を「創り」

「実行(具現化)する」術式

『投射呪法』

 

これらだ。

ここからわかる通り、禪院家の相伝の術式」とは何かを「創る」本質を持った術式なのだろう。では何故禪院家は「創る」術式を後世に伝えたがっているのだろうか。

 

【十種影法術】

伏黒恵の術式である「十種影法術」

非常に強い術式であり

過去には五条と同じ六眼と無下限の抱き合わせを殺したとまで言われている。

だが不自然ではないだろうか。

無下限とは扱いが難しいため六眼あってこそ、その本領を発揮するのだ。そしてそれらが揃うのは数百年単位で待つ必要があるとされている。そんな組み合わせ故の強さに並ぶ術式が組み合わせ故の力ではないと考えにくい。

 

「十種影法術」とは

「十種神宝」(八握剣の元ネタ)

「影法術」組み合わせ術式

だったのではないだろうか。

 

ならば他の術式と組み合わされば

どうなるのだろうか?

 

【構築術式と影法術】

十種影法術は確かに強い術式ではある

現在判明している中で唯一、五条悟を殺しうる術式と言っても差し支えはないだろう。だが所詮術者は人間に過ぎない。寿命があれば老化もする。次の世代に渡るかすら確実ではない。つまりどこまでいっても「一代限りの繁栄」しかもたらさない。なぜなら十種影法術で生み出したものは術式解除と共に消えてしまうからだ。

だが世界には術式を解除しても生み出したものは残り続ける術式が存在する。「構築術式」だ。

 

だったら「十種構築術式(仮)」

乙骨憂太のような桁外れの呪力

その両方を備えた人間が生まれるまで

「創る」術式を継ぎ続けよう。

そう考えるのは自然なはずだ。

 

例えば構築術式によって「八握剣」が具現化されればそれは後世に残り続け、家の繁栄は術者の死後も保証されるだろう。

 

「構築術式」はむしろ当たりの術式なのだ。

 

【禪院真依】

ここまでは「構築術式」の価値を説明した。

そして「構築術式」を現在作中で使用する人間は禪院真依しかいない。(乙骨も0巻でメガホンを具現化していたが、構築術式とは限らないので省く)

 

「構築術式」が作劇的価値が高いのならば

禪院真依も同様に高くても不自然ではないはず。

だが今更落ちこぼれに見えて実は強かったんですよ。なんて言われてもジャンプ漫画の主人公じゃあるまいし受け入れられない。

なら価値を高めるには「境遇」を特殊にすれば良い

 

例えば過去に出てきた双子のジンクス

双子は凶兆であるというものだ。

これがジンクスじゃなかったとしたら?

論理的に説明できる現象ならばどうだろうか。

 

【一人前】

真希と真依は知っての通り両方落ちこぼれだ

真希には呪術的才能が一般人程に無く

真依には中途半端な呪術的才能しかない。

まるで「2人で才能を分けた」かのようだ。

 

双子とは呪術的に見れば「2人」が生まれてくるのではなく、「1人」が分かれてできるものだとすればどうだろう。

1の才能を、魂を2人で分けるのだ

 

真希は本来得るはずだった術式や呪術的才能を失った代わりに「天与呪縛」を得たのではなく、「1の才能」に含まれた術式が真依に行ったため、真依は「失った」扱いになり、あの膂力を得たのではないだろうか。

 

つまり双子=凶兆となっているのは根拠の薄いただのジンクスではなく、本来人間は「1の才能」「1の人間」が独占するのに対し、双子は「1の才能」「2の人間で分け合う」ためからなのではないだろうか。

「1の才能」0.5ずつ分ければ文字通り半人前の術師が2人生まれ、「1の才能」0.7と0.3ずつ分ければ丁度今の真希と真依のように「中途半端な術師」と「中途半端な天与呪縛」が生まれてしまうのではないだろうか。

 

真希と真依は2人で”一人前”だったのだ。

 

真希と真依がそれぞれ一人前になるには何をすれば良いのだろうか…

 

 

【呪術廻戦】敵が怪物の姿とは限らない。「禪院真希の末路」

これは公式ファンブックと

 

 148話から

 

禪院真希が捨てるものについての

 

考察をした記事です。

 

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 ※ネタバレ範囲は0~15巻、公式ファンブック、本誌148話を含みます。

かなり推論が多いものとなっています。

 

 

 

【目次】

 

【捨てられないもの】

才能がなく、家から半ば勘当されている禪院真希が所持しているだろうとして挙げられるものはさして多くないです。

禪院真依

自分の肉体

「禪院」の名前

これらがまず初めに浮かぶ「捨てられるもの」であると思います。ですが私はこれらは彼女がそれ以外の何かを捨てたとしても必要な「捨てられないもの」と考えています。

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呪術廻戦148話/芥見下々

「まだ」とある通り、彼女が強くなりたい理由はあくまで当主になり、虐げられてきた禪院真依の居場所を作りたいからであり、そのためには当主になるための「名前」も、強くあるために必要な「肉体」も捧げることができないでしょうし、禪院真依を捨てることも彼女にはできないと考えています。

彼女の目的はあくまで「禪院真依」を守れる「当主」という地位であり「強さ」は手段に過ぎないのです。

(全盲の戦士や隻腕の戦士等、肉体の欠損によって強くなることはマンガではよくあることですが、短期的に考えれば肉体を失うことで得られる天与呪縛的なメリットより重心の変化等のデメリットの方が大きいと思います。勿論月日をかければそれでも強くなれるのでしょうが、死滅回游の状況や作者の「完結まであと2年くらい」という発言を見るにそんな時間は無いと考えるのが妥当でしょう。)

 

 

【捨てられたもの】

真希が「捨てるもの」を考える前に

他の人間が「捨てられた(失った)もの」

それによって「得られたもの」

まずはまとめたいと思います。

 

与幸吉

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失ったもの:健康

得たもの:数年分貯めて放出すれば特級相当になるほどの呪力出力と広大な術式範囲

 

禪院甚爾

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失ったもの:禪院の術式と呪力全て

得たもの:特級呪霊を圧倒する程の身体能力

 

七海建人

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失ったもの:少しの自由

得たもの:呪力出力(120%が出せる程度)

 

折本里香

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失ったもの:人間性(自我)

得たもの:強さ(?)

 

乙骨憂太

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失ったもの:愛する人の安寧

得たもの:里香の魂の抑留

 

カラス

失ったもの:命

得たもの:多大な呪力

 

呪力に関係するものの差し引きによって機能が変化する

 

 

つまり「縛り」として現状なりたつのは

・自立不可能なほどの不健康

・最高峰の術式と呪力

・自身への制限

人間性

・安寧

・命

・呪力に関係するもの

これらになります。

 

ですが真希さんの場合、術式は既に失ってしまっていますし、呪力を仮に制限したとしてもその量は七海が制限している量にははるかに及ばないでしょう。なのでそれによる大幅な強化は見込めないはずです。そもそも呪力を操作できないでしょうし、制限すらできないと思います。

 

健康を失うにしても与幸吉ほどの不健康をもってしても何年も呪力をためてようやく特級レベルの出力になる程度のブーストです。しかも不健康になりすぎれば戦闘が難しくなり、逆にほどほどの不健康であれば大幅なブーストが見込めません。

 

、つまり真依を失う。これも難しいでしょう。里香は乙骨の呪力がそもそも多く、その呪力で魂をつなぎとめていました。いくら禪院家とはいえあの姉妹が同じことをできるとは考えにくいですし、できたところで感があります。それに真依が死ねば当主になる動機が減り、強くなる理由が薄れてしまいます。

 

 を犠牲にすることもおそらくできないと思います。真依の居場所を作るためには生きて当主になる必要があります。その役目を全て恵に押し付ければ自死をもって強化することは可能ではあると思いますが、彼女がそんな無責任なことをするとは考えにくいです。

 

なら彼女は

「何」

「どうやって」

捨てるのでしょうか。

 

 

【組屋鞣造の術式】

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重面春太と禪院真希がもつ呪具。

それらには呪具と所有者が

「意思の疎通」あるいは「感覚の共有」

が可能であるという共通点が存在します

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呪術廻戦12巻、148話/芥見下々

何らかで所持者と呪具を繋いでいるのです

どうやってそれを行っているのでしょうか

(重面は見えない場所から刀が発見した新田さんに気付いているし、竜骨は「使い手の意図に合わせ」呪力等を噴出できるが、そのためのスイッチのようなものは現状見受けられないため、使用者と呪具の「意思の疎通」あるいは「感覚の共有」のようなことができないとおかしいはず)

 

傀儡操術黒鳥操術のような術式?

おそらく違います。

呪骸のようなものであれば術者による呪力の定期供給が必要ですし、術式範囲もネックになってきます。鞣造が東京校にとらえられていたはずなのに渋谷で重面が呪具を使えていた理由が説明できません。そもそもそんな術式ならば東京校襲撃の際、使用するべきです。

つまり組屋鞣造は術式を所持していない。あるいは戦闘に向かない術式を所持しているはずです。(術式を保持していない場合は何らかの技術によって呪具使用者と呪具に繋がりを作っている)

 

この鞣造の能力を呪具と所持者が

「シンクロ」していることから

仮に「同調」と名付けましょう。

 (術式ではなく技術かもしれないので能力とする)

 

その能力の発動条件は何でしょうか。

誰とでも呪具が「同調」できるのであれば乗っ取られるかもしれません。しかし例えば「触れること」を条件とするなら相手に攻撃した時点で乗っ取られる可能性が発生してしまいます。

ですが「繋がりが強い相手と特に同調する」といった芻霊呪法のような原理が働くならばどうでしょうか。

 

組屋鞣造はありふれたものから何かを作るというより良い素材を加工することで物を作るタイプの職人です。当然呪具制作も同様でしょう。

人間以外でも物を作るらしいですし「竜骨」は本当の竜で作られていたのかもしれません。でも「全て」使うでしょうか?骨や牙、皮や毛。色々使うでしょうがいくらかは余るはず。それらを呪具所有者に「とりこませる」ことで呪具との繋がりを強め、「同調」の条件に乗せていたとしたら?

つまり軽微な受肉をしていたら?

 

勿論そんな行為を呪力への耐性が低い真希さんが行えば無事では済まないでしょう。ですが彼女は残念ながら生命力が高い。その程度ならば耐えることができるかもしれません。(術者は風邪をひきにくい代わりにひいたとき重症化しやすいが、真希さんは風邪をひきやすいが重症化しにくいみたいな「免疫力」と「体力」の話)

 

ただしあくまで軽微とはいえ

耐性が低い者の受肉

意識が混濁するかもしれません。

九相図のように異形の姿に

変化するかもしれません。

いつ重症化するかもわかりません。

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呪術廻戦0巻/芥見下々

死ぬかもしれません。

そんな「リスク」「呪具」

彼女が選んだ道で

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呪術廻戦5巻/芥見下々

彼女がたった一人の姉妹を守るために

捨てる決意をしたものは人間性

だったのではないでしょうか。

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呪術廻戦5巻/芥見下々

 

 

 ↓こちらもセットで読むと視野が広がって面白いかもしれません。

amedot.hatenablog.com